あなたはヴィブラートを見たことがありますか?
うまい合唱団は純正律で演奏しているって本当!?
当サイトへのリンクは自由とします。 最終更新日:2008.01.25
by Amateur_Cellist
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注)声楽の場合、ヴィブラートが非常に大きい(100cent以上)ため、弦楽器の場合と表示方法を変えています。赤い横線が調律のA音です。また、アリアの場合、オーケストラ伴奏がかなり大きいので、ソロの波形がうまく取れない箇所がありますので、ご了解願います。
以下の、P1、P2・・・をクリックしてください。それぞれ10秒分の波形が表示されます。
※声でグラスを割る男!? 動画付き new
昨日(08.01.24)某民法放送で「声でグラスを割る男」が紹介されていました。グラスの固有振動数の高さの声を与え続けると、グラスが共鳴して割れるというものらしいです。その中で識者の方が、「人間は音高差が2Hzくらいまでしか識別できない。グラスを割るには1Hzの精度が必要。この人はそれをやっている。正に機械(並みの精度)だ。」という意味のことをおっしゃっておられました。(正確には覚えていませんが、だいたいそんな感じだったと思う)。
ちょっと気になったので、調べてみました。
1.紹介されていた男性
youtubeの動画 波形解析結果:
P1
波形の4秒付近でグラスが割れている。出している音はCis5付近で、少なく見積もっても25centは揺らいでいる。周波数で言うと、約557Hz、揺らぎの幅は8Hz以上です。
2.中国の女性歌手かな?
youtubeの動画 波形解析結果:
P1
波形の6秒のところでグラスが割れている。後は歓声が続く。出している音はGis5付近で、揺らぎ幅は200cent程度。周波数で言うと、約834Hz、揺らぎの幅は100Hz程度です。
男性のほうは肉声で割っているのに対し、女性はマイク&スピーカを使用しているので勝負にならないような気がします。それはさておき、グラスを割るのに1Hzの精度が必要とは、ちとオーバーな(笑)。
番組では森公美子さんも挑戦しておられましたが、残念ながらうまくいきませんでした。「ビブラートがかかっているから」という説明でしたが、上の女性歌手もかなりビブラートをかけておられるので、グラスの固有振動数に合わせればうまくいくかも。
クラシックファンならどなたも良くご存知の、あのテナーのスーパースターの3人です。それぞれ特徴のある歌声ですので、聴けばすぐ区別できますよね。さて、波形ではどのような違いとなって現れるのでしょう? 皆さん自身でお確かめください。
※ルチアーノ・パヴァロッティ
あの有名なメロディが出てくる部分と、最後のサビの伸ばしの部分の波形です。
・誰も寝てはならぬ
P5
P6
P7
P8
P14
(A:443Hz)
※プラシド・ドミンゴ
ドミンゴは、ヴィブラートをほぼ上下にかけていますが、最後の伸ばしではやはり上向きになっています。
・おおパラダイス
P2
P3
P4
P5
P17
(A:443Hz)
※ホセ・カレーラス
説明不要の名曲です。ヴィブラートは非常にゆったりしており、それがカレーラスの大きな特徴となっています。
・カタリカタリ
P1
P2
P3
P4
P16
(A:443Hz)
合唱の波形
※以前ある掲示板で、『自分の所属している合唱団(アマチュア)は純正律で演奏しており、3度や6度のみならず、完全5度音程も平均律と区別して演奏している、即ち2centの違いも完全にコントロールしている。』とおっしゃる方がおられました。その真偽を確かめるべく、以下の実験をしてみました。
※友人1さん、合唱暦数十年のアマチュアです 音源付き
極力音程を揺らさないようにとお願いして録音しました。音源はここからダウンロード出来ます。以下の波形と見比べてみてください。
・ソの音の伸ばし
P1
波形を見ると分かりますが、音程を揺らさないようにとお願いしているにもかかわらず、少なく見積もっても25centは十分ゆれているように思います。したがって、合唱団の音律を論じるにはあまりにもばらつきが大きいように感じますがいかがでしょうか。
いや、それはお前の友人がアマチュアで下手なだけだ、とおっしゃるかもしれません。ひょっとしたらそうかもしれません。しかし、プロだからといって純正律と平均律を区別できるほどに揺らぎが小さくなるとはとても思えません。
合唱未経験者のたわごとかもしれませんが、もし何か間違っていましたら、指摘していただけると幸いです。
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