ヴィブラート可視化データ集

あなたはヴィブラートを見たことがありますか?

当サイトへのリンクは自由とします。  最終更新日:2011.01.12

by Amateur_Cellist

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ヴァイオリンのヴィブラート波形


以下の、P1、P2・・・をクリックしてください。それぞれ10秒分の波形が表示されます。 波形の見方

※youtubeからRebecca Gilliverのデータです new  

Rebecca Gilliverはロンドン交響楽団のチェロのトップで、以下のyoutubeの動画では、ウィリアムテル序曲の冒頭のチェロのソロとブラームスの交響曲第2番の第二楽章冒頭を弾いています。ここでは、動画の8分17秒から始まるブラームスの波形を解析しました。非常にしっかりとしたヴィブラートをかけておられます。速度は6.2Hz前後でしょうか、適度な緊張感を保って、それでいて硬くなりすぎず、フレーズをうまく感じ取った素晴らしい演奏だと思います。

・ブラームス作曲 交響曲第二番 第2楽章の冒頭部  P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8  

 動画はここをクリックしてください。

※youtubeからFournierのデータです   

チェロのプリンスと歌われたピエール・フルニエのデータです。古い録音の割には、しっかりとした波形が得られました。

・シューマン作曲、チェロ協奏曲 第一楽章の冒頭部  P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8  

 動画はここをクリックしてください。   著作権の問題?で、削除されたようです。

※youtubeからCelloJourneyのデータです   

チェロ奏者:LUKE STANLEY POMORSKIは音楽(チェロ)とコンピュータサイエンスの両方の学位を取得した変り種です。映像を見ると、ちょっとチリメンぽいかなという気がしないでもありませんが、目を瞑って聞くととてもうまく聞こえます(笑)。実際うまいんでしょうけど。

・フォーレのエレジー P1 P2 P3  
 私の波形及び演奏と比較するのも面白いかと。

 動画はここをクリックしてください。

・タイスの瞑想曲  P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8 P9 P10 P11 P12 P13 P14 P15 P16 P17 P18 P19 P20
            P21 P22 P23 P24 P25 P26 P27 P28 P29 P30 P31 P32
 ヴァイオリンの波形と比較するのもいいかもしれませんね。

 動画はここをクリックしてください。

・サンサーンスの白鳥(ピアノ伴奏なし)  P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8 P9 P10 P11 P12 P13 P14 P15

 動画はここをクリックしてください。

・サンサーンスの白鳥(ピアノ伴奏あり)  P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8 P9 P10 P11 P12 P13 P14 P15 P16

 動画はここをクリックしてください。

※クラシック音楽界のスーパースター、あのヨーヨーマです。  

ドヴォルザークのチェロ協奏曲から、いかにもヨーヨーマらしい部分を抜き出してみました。

A.1楽章の展開部冒頭のmolto espress. e sostenutoの部分  P1 P2 P3 P4

B.2楽章冒頭のテーマ  P1 P2 P3

 ヨーヨーマの魅力のひとつに、遅い部分のあの人懐っこい歌いまわしがあると思います。もう少し具体的に見ると
1.ヴィブラートの極端な遅さ
  いろんなソリストのデータを調べると、ヴィブラートの速さは多くが6.0〜7.0zの間に入るようです。6.0Hzを下回ると、ちょっと遅いなと感じます。ヨーヨーマの場合、上の例のような遅いパッセージではかなり遅くかけています(B.P1の4〜5秒の間では5.3Hz)。
2.ヴィブラートの後がけ
  例えば演歌歌手なんかの場合、長く伸ばす音に対して最初の数秒間ノンヴィブラートとし、その後にヴィブラートをかけるというやり方をよく耳にします。クラシックの場合、数秒間というのはありえないでしょうけど、波形を見て分かるように0.3〜0.4秒程度のノンビブラートなら、その後に続くヴィブラートは非常に魅力的に感じられます。(個人差があるかも)。ヨーヨーマはそれを実にたくみに使っています。
3.ヴィブラートによるクレッシェンド
  これは音量を変えず、ヴィブラートの振幅を大きいほうに変化させることによりクレッシェンドをかける方法であり、前述の「後がけ」と合わせて行うことにより、よりいっそうの効果が得られます。上の例でも随所に出てきます。ただ、これも好みの問題であり、こういうのが嫌いな人もいるかもしれませんね。

以上、勝手にまとめると、ヨーヨーマはヴィブラートの速度や振幅を曲想に合わせて自在に操ることにより、幅広い表現力を得ているといったところでしょうか。

因みにヴィブラートの遅さでは、私も負けないのだが・・・

※規格外のチェリスト達   

注)音源が古かったり音量が小さかったりして波形がかなり汚くなっていますが、ヴィブラートが見えるところだけを見てください。

A:非常に早いヴィブラート(7.0Hz以上)
 女流チェリストです。デビュー当時はデュプレの再来と言われていましたが、今はどうなんでしょう?あまり噂は聞かなくなってしまいました。ヴィブラートはかなり細かく、非常に神経質な印象を持ちます。
・チャイコフスキー ノクターン  P1 P2 P3 P4

B:非常に遅いヴィブラート(5.5Hz未満)
 アメリカのとあるオーケストラの指揮者でもあります。どっちが本職なんでしょう?ヴィブラートが遅すぎて、間延びした演奏に聞こえます。どこかのおじさんが葉巻をくわえながら悠然と弾いている感じかな。
・バッハ アリオーソ       P1 P2 P3 P4 P5 P6

C:振幅の小さなヴィブラート(25cent程度)
 チェロの巨匠です。クラシック音楽ファンなら、どなたもご存知のはずです。この方のヴィブラートは非常に特徴があり、音の途中で速度や振幅を変えたりしません。そのために非常に機械的で無味乾燥な演奏に聞こえます。また振幅が小さいので、ちりめんヴィブラートに聞こえてしまいます。ファンの方、すみません。
・バッハ アリオーソ       P1 P2 P3 P4 P5 P6

※中国系チェリスト(Jian Wang) 

あのスーパースターではありませんが、この人も実力派です。しょっちゅう来日していますので、おなじみかと思います。私の大のお気に入りです。ヴィブラートの美しさは他の追随を許しません。波形にも十分それが現れています。

・ショパン ソナタ第3楽章      P1 P5 P6
・ショパン 華麗なるポロネーズ   P1 P3 P4 P5

※米国出身の女流チェリスト(Alisa Weilerstein)  

典型的なヴィルトゥオーゾタイプの若手奏者です。「輝かしく感傷的な美しさ」と称されています。ヴィブラートの最大振幅は100centを超えます。

・ロッシーニ 「モーゼ」の主題による変奏曲   P1 P2 P3 P4 P5 P6

※米国出身の女流チェリスト(Sara Sant Ambrogio)の小品集  

この奏者は、(曲にもよりますが)グリッサンドをかなり多用しています。聴いていて不快にならない程度の抑制されたグリッサンドです。また、ヴィブラートの最大振幅は75cent程度で、チェロ奏者としては大きいほうです。(A音のピッチはすべて442Hzとして、計算しています)

・サンサーンス作曲、白鳥       P1 P2 P3 P4 P5
・ガーシュイン作曲、サマータイム  P1 P2 P3 P4
・ショパン作曲、ノクターン       P1 P2 P3 P4 P5 P6
・アルビノーニ作曲、アダージョ    P1 P2 P3 P4
・バッハ作曲、アリア          P1 P2 P3 P4 P5

※フォーレ作曲、エレジー(外国の一流チェリスト10名(順不同)の波形です)

尚、A音のピッチは、ソロが始まって4小節目のC音のヴィブラート中央部が0centになるようにして求めました。

 演奏者名も加えましたので、ご参考にしてください。

No.1   P1 P2 P3 P4  (A:443Hz)  Anne Gastinel
No.2   P1 P2 P3    (A:446Hz)  Emil Klein
No.3   P1 P2 P3 P4  (A:444Hz)  Frederic Lodeon
No.4   P1 P2 P3 P4  (A:444Hz)  Hnna Chan
No.5   P1 P2 P3 P4  (A:445Hz)  Lowri Blake
No.6   P1 P2 P3    (A:446Hz)  Nina Kotova
No.7   P1 P2 P3 P4  (A:443Hz)  Peter Dixon
No.8   P1 P2 P3    (A:445Hz)  Pieter Wispelwey
No.9   P1 P2 P3 P4  (A:443Hz)  Roland Pidoux
No.10  P1 P2 P3    (A:444Hz)  Xavier Phillips

※私のデータです  

・フォーレのエレジー改訂版です。  
 前の演奏の波形(P1参照)を見ると、最初のEsの音量が異常に大きくなっています。そんなに強く弾いた記憶は無いのに、と思って楽器自体の特性や他弦との共鳴等いろいろ調べたところ、どうも録音部屋(自分の居間)の位置によって共鳴しやすい音の高さがあることが分かりました。今回改めて、なるべく音高に対する共鳴がなるべくフラットな位置で録音しなおしました。音程にも気をつけて演奏したんだけど、どうかな?やっぱりダメかも。おじさん弾きは何とかならないものか(涙;

 P1 P2 P3 P4    音源

・フォーレのエレジーです。
 恥ずかしながら、音源もつけてみました。音程がふらふらしているのと音の変わり目にヴィブラートが止まるのが気になります。ヴィブラートの速度も5.5Hzとソリストの皆様の演奏に比べてかなり遅めです。いかにもオジサンが弾いている感じですね。

 P1 P2 P3 P4    音源

・ニ長調の音階一オクターブを4回取ってみました。
 音律を意識しすぎると音程が不安定になるので、深く考えずに4回とも同じようになるように弾きました。でもだいぶばらついていますね(涙; それぞれの音源も付けましたので、比較しながら聴いてみて下さい。
 尚、今回はVista対応ソフトで解析してみました。違いが分かりますか?

1回目  P1 P2    音源
2回目  P1 P2    音源
3回目  P1 P2    音源
4回目  P1 P2    音源

・ヴィブラートのデータです。
 A線のD音にヴィブラートをかけてみました。ヴィブラートをかけることにより楽器が揺れることによると思われる音量の変化が見られます。この音量変化は、ヴィブラートに同期してはいますが、位相がずれていることに注目してください。(音量のピークとヴィブラートのピークのタイミングは一致していません)
 また、私のヴィブラートの速度は5.5Hzと遅く、ソリストに比べてとても野暮ったく聞こえます。尤も原因は速度だけではないでしょうが...

 P1    音源


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